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岩手県一関市藤沢町保呂羽字宇和田18

【おかげさま…】 慶壽庵手芸の会の活動が中外日報に掲載されました。

【中外日報掲載抜粋2023.2.1】

手芸中心に活動の場開く 地元主体で施設と交流

岩手県一関市 時宗長徳寺

キラリ 頑張る寺社・宗教者・宗教施設2023年2月1日 12時28分

和気あいあいと手芸などに取り組む「慶壽庵」のメンバー 和気あいあいと手芸などに取り組む「慶壽庵」のメンバー
岩手県一関市の時宗長徳寺は、地域や宗派を問わず人々が集まれる場として「慶壽庵」を開いている。慶壽庵は毎月第2・4火曜に手芸の会を中心とした活動をしており、生きる慶びを集め幸福を願いながら楽しんで参加してほしいとの思いで渋谷真之住職(47)が命名した。

住職に就任し庫裏を新築したタイミングだった2010年、地域の婦人から「手芸の会の場所を探している」との相談を受けたことがきっかけだった。参加者は手作りの漬物や郷土菓子「がんづき」などを持ち寄って「お茶っこのみ」をしながら、和気あいあいとした雰囲気で活動している。中心となって毎回参加しているのは7、8人で、当初は講師を呼んで手芸を学んでいたが、めきめきと技術が向上。指導役として外部に出向くまでになった人もいるという。

年2回、春の同寺の「蘇民祭」、秋の地域の文化祭で作品を展示することを目標として、その年の干支やその時々でテーマを設けて人形などを作成する。県内各地で行われている蘇民祭は「裸祭り」としても知られ、選択無形民俗文化財にもなっている。しかし、祭りのクライマックスとなる蘇民袋争奪戦はコロナ禍でこのところ中止が続いている。

今年は争奪戦の場面の人形によるミニチュア再現をテーマに取り組んでおり、蘇民祭当日に本堂で展示する予定だ。渋谷住職は「できないからこそと、人形に託して伝承を守ろうという意気込みから」と話す。

発足の翌年に発生した東日本大震災の際には、炊き出しや手芸セットの配布なども行った。コロナ禍では手作りの布マスクを作成し、老人ホームに寄付したこともある。また地域の医療・福祉施設へ、これまで作成してきた「つるし雛」の貸し出しもしている。

こうした交流をきっかけに、施設のデイサービスの人たちが蘇民祭で特製の石焼き芋を振る舞ってくれたり、認知症ケアのための劇団に慶壽庵のメンバーが参加して劇を披露したりして活動の輪が広がっている。最近では隣の市に住む人から写経の会の申し入れがあったのを機に、同日開催としてメンバー同士の交流も図っている。

認定臨床宗教師でもある渋谷住職が外部の施設や人とつないだ縁もあるが「主体はあくまで地域の人々であり、独自に歯車が回り始めて起きた活動の化学変化に驚いている」と語る。

(佐藤慎太郎)

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